さて、令和4年11月から5回にわたりヘム鉄に関する情報をお届けしてきましたが、今回は今さらですが小学生でもわかる栄養のお話をしたいと思います。
皆様もご存じの事と思いますが、生命を維持するための五大栄養素がありますね。

たんぱく質は主に体の成分となり、一部が燃料となります。脂肪は体の成分でもあり、燃料でもあります。たんぱく質と脂肪は、体の成分として必須なものなので、必須アミノ酸、必須脂肪酸があります。
糖質はほぼエネルギー源として使われるのみで、また、脂肪やたんぱく質から生成することが出来ますので、「必須糖質」というものはありません。

体内のたんぱく質と脂肪は、常に「作って壊す」という代謝を行っています。いわゆる(動的平衡)でです。
例えば、粘膜上皮は2~3日で入れ替わり、皮膚は2週間で入れ替わります。その為、たんぱく質と脂肪は、常に十分量を補給する必要があります。足りなくなると代謝障害が起こり、体調が悪くなります。
なお、人間は、動物なので、植物性たんぱく質より動物性たんぱく質の方が利用しやすくなっていますし、植物性脂肪よりも動物性脂肪の方が利用しやすくなっています。

ビタミンは代謝の補酵素として、又ミネラルは、代謝の補因子および体の成分として使用されます。
ビタミン、ミネラルが不足しても代謝障害をきたし体調が悪くなります。

食事が糖質に偏ると、たんぱく質、脂肪が不足して代謝障害をきたします。また、糖質過多の食事では糖質の代謝に大量のビタミン、ミネラルが使用されますので、ビタミン、ミネラル不足を招き、やはり代謝障害をきたします。

一般的な病院で指導されるカロリー制限は「糖質・たんぱく質・脂肪」の比率を「6・2・2」に保ったまま総量を減らすというものです。この比率ですと当然、たんぱく質不足、脂肪不足となります。

絶対量が不足してしまいますね。ですから、カロリー制限は、辛くて長続きしないのは当たり前ですね。体が「もっとたんぱく質、脂肪が欲しい!」と悲鳴を上げるのは当然ですよね。

栄養の話は、こんなに単純で、小学生でも理解できる話です。

しかし、このことは、医学部では教えないみたいです。何でかなぁ。

次回は、鉄分ととても関わりのある、アドレナリン、アセチルコリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニン、メラトニン、エンドルフィン等の脳内伝達物質のお話をしたいと思います。
6月28日頃を予定しています。